DIYでバイクを塗りたいが、塗装手順がわからなくてお困りの方、必見!
もうやめにしませんか?意味のないテキトーな情報に惑わされるを・・・
世界中に塗装方法【How To Paint】を提供しているコンクリートが、詳細な解説とともに、動画、大きな写真を織り交ぜて塗装手順を徹底解説してきます。
今回はタイガーカラーを詳しく解説!!
コンクリートは国産旧車を割と多く塗装していますが、その中でも多いのがカワサキ【ZU イエロータイガーカラー】です。
ベースのメタリックに見える色は3コートキャンディー
イエロー、ホワイトの曲線、直線を織り交ぜたシンプルで美しい左右対称のデザイン
合計5色もの色を使ったこの塗装ができれば、どんな塗装も困りません。
出来上がりはこんな感じです!みんなもレッツチャレンジ!
1.塗装前のタンク、外装の状態をチェック
画像のタンク、実はZUではなく、Z750Dのタンクです。
今回の依頼はZ750Dの外装をZ2純正の3コートキャンディーダークイエローのタイガーカラーに塗装することです。
外装の状態・・・奇跡の当時物タンクで凹みもなく非常にきれいですが、ラインの塗りこみがあるため塗膜を剥がします。
旧車の場合は、いくら表面がきれいでも塗膜をはがしたら、サビやパテによる凹みがあるかも、、、と考えたほうがいいです。
備品を取り外します。
時々、「タンクキャップが外せないから、そのままマスキングして塗ってくれませんか?」と問い合わせいただきますが、外し方は簡単で、ピンを横からやさしく打ち抜くだけで取れます。3枚目のサイドカバーの留め具は折らないように慎重に!
塗装をはがします。
給油口から剥離剤が入らないようにゴム栓のようなものでフタをし、ハクリ剤をハケで全体にたっぷり塗っていきます。
※厚手のゴム手袋を必ずつけて、全体的に露出の少ない服装で作業してくだささい。
よくある質問
Q なんで塗膜を剥離する必要があるのですか?
サンドペーパーで足付けではダメでしょうか?
A 表面はキレイでも塗膜を剥がすと、(旧車は特に)錆びていたり、剥がれかけているパテが出てくることがよくあります。
また剥がさずにサンドペーパーで足付け、というのはラインなどの色分けによって塗装面に段差がない一色塗りの場合に有効ですが、段差がある場合はハクリしてしまった方が、手っ取り早いです。
細かいところは金属ブラシで
塗装をはがすのに、スクレーパー、皮スキだけでは細かい箇所をキレイに剥がすことはできません。
タンクキャップ付近、コック周りは金属ブラシでゴシゴシやるとけっこうキレイに取れます。
さらに入り組んだところは根気よく剥がすしかないのですが、サンドブラストという手段もあります。
キレイに塗膜が取れたら、タンク表面の剥離剤のぬるぬるした感じをシンナーを染み込ませたぼろ布等でふき取りましょ!
※シンナーでなくても水洗いでもヌメリ感は取れますが、鉄タンクはすぐに錆びるので、洗った後は直ちに水気をふき取ります。
錆は必ず落とす!
線のように見える錆が発見されました。
旧車でこの程度の錆で済んだのは非常に珍しいですが、小さい錆もめんどくさがらずに電動の金属ブラシなどで根こそぎ取り除きます。
プラサフを塗装します。
鉄タンクの塗装をはがしたら、下地処理のプラサフ(プライマーサフェーサー)は必ず塗装しましょう!
プラサフが初めての塗装になる人も多いです。
色付きの悪いフチ(エッジ)から塗装をして、垂らさないように慎重に塗装します。
塗装後は写真下のように艶消し黒のような感じになります。
よくある質問
Q なぜプラサフを塗装しなければならないのですか?
A プラサフは鉄タンクが錆びるのを防止し(防錆効果)
上に塗る塗料の密着をよくします。
また、錆落としなどでゴシゴシした細かい線傷をプラサフが埋めてくれますので、非常に助かります。
プラサフを滑らかになるまで研ぎます。
よく乾燥させたら、600番の耐水ペーパーで表面を隅々まできれいに研ぎましょう!
※このプラサフをいかにきれいに隅々まで研ぐかによって仕上がりが左右されます!
時間をかけてしっかり研ぎましょう。
※しかし研ぎすぎて鉄までいってはいけません!
研いだらしっかりふき取ります。
塗装前はしっかり脱脂します。
よく研いだ後、塗装前には基本的には脱脂しましょう。
脱脂剤(シリコンオフ)を染み込ませたウエスで表面の油分を取り除きます。
ココからは3コートキャンディー塗装です。
Z2イエロータイガーのベースの色の緑みたいなキラキラした色、これがキャンディーカラーであり、この塗装の重要な部分です。
3コートというのは「三層で重ね塗り」ということです。
ダークキャンディーイエローのあの色を出すには
1番下、「一層目」に
画像のような黒っぽい色を塗装します。
※写真のように艶は出さなくてもOK!並みの塗装肌で問題ないです。
シルバーメタリックを振りかける
三層目のうち、次はシルバーメタリックを表面に乗せる2層目の塗装です。
ガンのエア圧を強めにし、50cm〜1m位離れてガンを大きく左右に振り、表面を塗装するのではなく、表面にシルバーメタリックを乗せるイメージです。
キャンディイエロー(キャンディーゴールド)を塗装します
エッジ付近から塗り始め全体を万遍なく均一に塗装します。
塗り方、塗出量によりますが、3回〜4回程度薄く塗り重ねると、写真のようなきれいな状態になります。
この動画のようにキャンディーカラーはとてもきれいな色合いになります。
クリアを塗装し、研ぎます。
画像にはありませんが、
3層目のキャンディーイエローを塗装した後、クリアで一度表面をコーティングして、600番程度の耐水ペーパーで塗装します。
よくある質問
Q なせクリアを塗装するのですか?
A 本来クリアを吹く必要はないのですが、次のマスキングの作業の際、
ゴミかみや、ゆず肌になっていた場合、非常にマスキングがしにくくなるため、
マスキングの前にクリアを塗装し、ペーパーで表面を平滑にしてテープを「貼りやすく」「剥がしやすく」するのです。
また初心者の方によくあるのが、油断してしまってタンクに何かを落としてしまって傷をつけてしまう事です。
クリアでコーティングしておけば、傷修正も最小限で済みます。
センターラインを出します。
精度の高いマスキングを希望ならまずは精度の高いセンター出しから!
ピンクの糸は建築用ですが、基本的にセンターが出せるならなんでもOK
ピンと張ってそれを基準にマスキングテープを貼ります。
ラインの基準になる目印を付けます
センターラインやタンク下部のエッジから位置決めをし、
マスキングテープを短くカットしたものを一定間隔で貼りつけます。
マスキングテープを貼ります
一発目から曲線というのは難しいので、タンク下部の太い黄色い直線からマスキングします。
ペタペタ貼るのではなく、マスキングテープを十分伸ばし、軽く張りながら直線を意識して貼ります。
マスキングテープは安いし、何回も貼り直しができるので、自分が納得するまでやりましょう!
黄色の上の白いラインのマスキングをします
白いラインは8mmです。白ラインと黄色ラインの間は5mmですので画像のように作業を進めます。
マスキングテープは3mmと5mmを使います。
曲線をマスキングします。
曲線は直線よりも難易度も高くZ2のタイガーの場合はタンクの上に左右対称に分かれての曲線ですので、誤差が分かりやすいです。こちらも納得いくまで何回もやります。
タンク片側終了!
上から見るとこんな感じです。ここからが肝心です。
左側のラインに合わせて右側にマスキングしていきます。
誤差±1mmを目指して頑張りましょう!!
反対側も方法は同じ
印をつけてマスキング、これにつきます。
ただ注意していただきたいのはメジャーで測った数値を気にしすぎて線が角ばったり、明らかに左右対称ではなくなったりすることです。
タンク自体は必ずしも左右対称ではないので、(旧車は特に)数値に囚われすぎずに実際に目で見て、滑らかに左右対称にラインを引きましょう!
ラインの終わり方
意外と皆さんが困っているのはラインの終わらせ方!
キワのキワで切り取るのか、余裕を持たせるのか、、、タンクや作業する人によって変わりますが、Z2タイガーのタンクラインの終わり方はこんな感じです。
マスキングラインが入っているところが実際に、ホワイト、イエローの部分になります。
マスキングラインを基準にラインテープを貼ります
マスキングテープに沿ってラインテープを貼り、しっかりと爪などで、中の空気を抜いて密着させましょう!
ラインテープの幅をうまく使う
白ラインと黄色ラインの間の幅は5mmですので、そのまま5mmのラインテープを使います。
※歪んでしまうので間違っても2mmラインテープ+3mmラインテープとしないように!
マスキングの手順もしっかり考えて!
マスキングテープとラインテープが重なってしまうと、切り取りにくかったり、剥がしにくくなったりします。
なので交互に切り貼りするとストレスもなくキレイに仕上がりますよ
左右対称
左右対称は自分との闘いです。根気よく自分の納得のいくまで
ライン塗装のため、養生します
15mm程度のマスキングテープが使いやすいですが、それをうまいことカットし、キレイに貼り付けましょう!
全体を養生するとこんな感じ
様々な幅のマスキングテープが販売されていますので、自分の使いやすいように使用してください。
黄色部分をマスキング
最初は白ラインを塗装しますので、イエローラインの部分はマスキングしておきます。
白を塗装します
ホワイト塗装をしたら、イエローラインになる部分を剥がします。
ホワイトラインをマスキング
隙間がないようにしっかりとマスキング!
※少しでも隙間が空いてると、そこから塗料が付いてしまい、消す作業で二度手間になってしまいます。
細い部分のカットは塗装の直前に!
写真のように細い部分は最初にカットしていると、塗装のころには剥がれている、ということもあるので、塗装の直前にカットします。
イエローラインを塗装します
濃い色(ダークキャンディイエロー)の上に隠ぺい性の低い黄色を塗装するので色付きが悪いです。
イエローを塗装する前にベージュのような色を塗装することでイエローの塗料を節約もできますし、塗膜も薄くすることができます。
※写真はそのまま塗っています。
マスキングを剥がします。
全体像がわかるので、この作業はだれでも楽しいはずです。
クリア塗装前に
表面のゴミをエアで飛ばし、シリコンオフでしっかり脱脂します。
捨てクリアを塗装します。
写真のように一回目のクリアでも十分キレイですが、
表面を触ると、ラインによる段差のせいで、滑らかではありません。
段差を滑らかにします
600番〜800番程度の耐水ペーパーでラインを塗装したあたりを重点的にサンディングします。
※研ぎすぎて「色」までいかないように!
↓仕上げ塗装の前ですが、とてもきれいな仕上がりです。やっぱりキャンディカラーはいいですね
仕上げクリアを吹いて、磨けば完成です。
皆さんいかがだったでしょうか?
磨き作業はこのページでは省略していますし、画像の写真も磨いていません。
どの程度のレベルを求めるかによりますが、磨かなくてもクリアをうまく塗装すれば、写真のように十分なツヤが得られます。
下記リンクも合わせてご覧ください。