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タンクやカウル、フェンダーの剥離を徹底解説!

塗装をするにはまず下地処理からというのは鉄則ですが、タンクの場合は剥離をし,サフェーサーをしたほうが早くキレイに仕上がることがよくあります。

このページではガソリンタンクの剥離手順はもちろん、リアカウル、フロントフェンダー(ABS、FRP)など樹脂で出来ているもののはがし方も解説しています。



塗装をはがすタンクを用意します。

それぞれ塗膜の種類が違うゼファー750、ZRX400のタンクを用意しました。
今回は2コのタンクを同時並行で剥離したいと思います。



へこみがどこにあるか確認しましょう!

ゼファー750は大きい凹みが3か所もあります。



小さい凹みも何個あるかチェックしましょう。

小さい凹みは塗膜をはがすと分かりづらくなります。写真で一つ一つ記録したほうがあとあと楽です。



ZRX400の方も塗装の状態などを確認!

右側に大きい凹み エッジ付近もかなり塗膜がはがれ状態は悪いです。


塗装の剥離に必要なものを用意します。

新聞紙を8つ切りにしたもの、普通の新聞紙、タンクの台、
ゴム手袋、紙コップ、使い捨て金属たわし、保護メガネ、刷毛、金属ヘラ、ワイヤーブラシ、ゴム栓、タンクキャップのふたです。



タンクの台はこのような構造になっています。

上の木のプレートの形を変えることによってさまざまなタンクをずれずに作業できます



中に剥離剤が入らないようにゴム栓をしてさらにふたをします。


※なぜこのようなことをするかと言うと、剥離剤と言うのはずっとトロトロではなく時間がたつと溶けた塗料ごと固まってしまいます。
複雑な部分は後回しにして、まずは取り易いところからです。



剥離剤の一斗缶を開けます。

剥離剤は皮膚に付くと危険ですので、新聞紙で押さえてマイナスドライバー等で開けてください
※※この手順は絶対守ってください。



一斗缶スタンドで紙コップに移します。

コップに入れる時は写真右のように入れてください。
あれ?向きが違うんじゃないと思う方もいるかもしれませんが、この向きが正しいです。
逆向きですると調整ができずあふれて大変なことになります。



刷毛でタンクに塗っていきます。

※剥離剤を薄く塗るのではなくほどほどの厚みを持たせて塗らないとうまくはがれてくれません。

一気に前面に塗ってもいいのですが、慣れていない方は一面づつ作業するのかいいです



塗装が浮いてくるのを待ちましょう。

普通は5分くらいで写真右のようにチリチリになって浮いてきますが、写真上のように塗料の種類によっては浮いてこないで溶ける場合もあります。(缶スプレー等)



塗膜が浮いてきたところでヘラでそぎ落としていきます。

ゴム手袋を付けてさくさくと作業しましょう。



一回ではそこまで綺麗に取れませんので、二回目です。

剥離剤が残っていてヌメヌメしているので、新聞してふき取ります。



2タンクとも二回目の剥離ですが、ZRXの方がしぶといです。

パテが見えますが、再塗装品にはよくあることです。パテの処理はのちほど



3回目の剥離剤添付です。

そぎ落としたら、剥離剤のヌメヌメを新聞紙で取らないで、ヌメヌメが残っている間に金属たわし(100均で十分)を用意します。



金属たわしでヌメヌメと塗膜を取ります。

剥離剤が乾燥するとキレイに取れませんので、手際良く作業します。



塗膜を取るとこんな感じです。

ゼファーは錆がひどいですが、ZRXはパテ補修の跡がありますが、割ときれいです。
※まだ色がうっすらついていますが、後でサンドペーパーで楽に取れます。



タンクキャップ周りに剥離剤を流し込みます。

もちろんゴム栓でふたをし、タンクを傾けて隅々までいきわたるようにします。



ヘラの先などを使って奥までかき出しましょう。

一回では取れませんので、2〜3回繰り返します。



取れないところはエアーで吹き飛ばします。

写真左は一回目終了時です。また剥離剤を塗り込みはがれたところを新聞紙でしっかり押さえて隙間のないようにエアガンで吹き飛ばします。



金属たわしで細かいところの汚れなどを落として剥離は終了です。

キャップあたりも相当キレイになりました。

続きの錆取り、へこみ直しはこちらをご覧ください。

プラスチック部品の剥離手順  ABS、FRPなど



樹脂製パーツの剥離手順とは!?

一般的にカウル、フェンダーなどの部品を剥離するのは無理と言われているが、その真相とはどうなんでしょうか?こちらで解説していきます。
※今回のドナーは完全ジャンクのフロントフェンダーです。



まずは実験です。

事実、剥離剤はABS樹脂を溶かします。写真右は塗ってから5分後の状態です。
表面の塗膜が溶けています。
※FRPは溶けませんが表面のゲルコートは溶けます。



ヘラではがしてみるとこんな感じです。

樹脂まで溶けてしまい、これでは使い物になりません。パテ修正するにも手間がかかります。



ではどのようにやるか?

フェンダーの反対側で実践してみましょう。
解決策はとっても明快ですが、とっても難しいです。
塗膜だけ溶かして剥離剤が樹脂に到達するまでにヘラで取るのです。


はがした後です。

実際のところはキレイにはがれるわけもなく写真のような状態です。
樹脂製の剥離剤を使っての剥離は最終手段と言えます。
何回も重ね塗りさせていたり、ところどころ塗膜ワレがあったりするものでさらにレアなものは剥離の価値がありますが、普通のパーツは塗装ベースを買った方が安いのです

はがした後にも実際はサンドペーパーでならさないといけないので、かなりの手間がかかります。

使用後のハケの洗浄について





剥離剤のついた刷毛はしっかり処理しましょう。

写真のように木の板、または段ボールに水を少量垂らします。
ヘラと水を使って刷毛についた剥離剤をそいでいきます。
最後はゴミ箱に流し込みましょう。

下記リンクも合わせてご覧ください。