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バイクの塗装手順 徹底解説! ZRX MKU編

第二弾!さらに詳しく解説!

DIYでバイクの塗装をしてみたいけども、難しそう、、、
どんな手順でやれば失敗しないかを多くの写真やプロの視点で徹底解説していきます。


今回はZRX400 MKUカラー+カワサキエンブレムの塗装方法を解説します。

ブラックメタリックに金ラインのこの外装
Z1000MKUやZ750FXのカラーリングで有名なMKUカラーです

直線的なラインがカッコよく定番でもありますが、とても人気があります。

使う色はブラックメタリックと金ラインの二色ですので、青玉虫の外装に比べると、難易度は低めですが、エンブレム塗装も加わりますので、やりがいもあります。


サフェーサー状態からスタートします。

今回は黒サフェの状態からですが、白でもグレーでもOK!
外装の剥離、下処理、へこみ修正はこちらをご覧ください。


#600の耐水ペーパーで表面を滑らかにします。

水研ぎは必ずサフェーサーを塗ってからしてください。

※パテを水研ぎするのはNG! パテは水を吸い込むのでタンクの鉄板まで水分が行ってしまいさびてしまってパテがはがれてしまいます。



表面をよく見てゆず肌の所も研ぎましょう。

水研ぎですので、ある程度滑らかになったと思ったら、綺麗な布巾でふき取り表面を見ましょう。

写真右の拡大写真のようにゆず肌の箇所が残っていたら再度#600で研ぎ、その後に#800耐水ペーパーで仕上げましょう。

※布巾は厚手の新品の雑巾をお勧めします。(ホームセンターで10枚300円くらい)

※ゆず肌をしっかり処理しないと黒系の色の場合、そのままゆず肌が残ってしまいます



研ぎ終わったらよくふき取ります。

給油口あたりはどうするの?と思うかもしれませんが、サフェーサーをきれいに塗っていれば表面は十分滑らかですので、研がなくてもOK!  ザラザラしているならがんばってください。。

※サフェーサーは綺麗に塗装する必要はないですが、綺麗に塗ることで手間を省けます



脱脂します。

写真左の白いボトルはYBボトルと言います。もちろん耐溶剤性で塗装には必要不可欠です。

右手に持っているのはキムタオルというもので、よく吸収するので、脱脂する際には脱脂剤をよく吸いこませます。

吸い込ませたら一方通行で拭いていきます。



脱脂剤が乾く前に、ふき取りましょう。

同じキムタオルですが、先ほどの脱脂剤を吸い込ませたのとは別に用意して乾く前によくふき取りましょう。

※実際は右手に脱脂剤のキムタオル、左手にふき取る用のキムタオルで同時進行くらいがいいのですが、外装を固定しないと難しいので、なかなかうまくできませんが、そんなに神経質にならなくてもいいです。



ライン部分の金色を塗装します。

MKUテールも同様に研いで脱脂します。

下地の色にもよりますが、金色はなかなか色付きが悪いですので、薄く薄く塗り重ねましょう。
※どの色でも薄く塗り重ねるのは鉄則ですが、メタリックはムラになりやすいので、特に注意!



ムラにならないように薄く塗り重ねます。

ラインになる部分だけ塗装すればOK! 塗料を多く作ってしまったら、全体に塗って練習するのもいいと思います。



よく乾燥させましょう!

生乾きのままでマスキングは絶対NG! 急いでいても焦らずに!



センターラインを引きます。

センターを出したら、左右にもプレスラインに沿ってマスキングテープを貼りましょう



プレスラインから規定の距離にラインテープで目印を付けます。

写真左は裁縫などで使う巻尺です。
くねくね曲がるのでかなり便利!必需品です。



まずは外枠のラインテープを貼りましょう。

今回使用するラインテープは1.5mmです。かなり細い部類になるので、引っ張りすぎるとすぐ切れます。



内枠にラインテープを貼ります。

ラインテープを貼る前に下の面とフロント側の面はラインの太さは7ミリですので、4mmのラインテープを貼ります。1.5+4+1.5=7という感じです。

上のラインは3mmですので、1.5+1.5=3mm こんな感じで使用するテープを選びます。



ラインテープを張り終えたら、爪でしっかり押さえます。

強くやりすぎないように、絶妙な力加減で!



反対側も同じようにマスキングします。

左右に貼り終えたら、センターラインからの距離が左右対称かさまざまな位置で確認します。

慣れていればこの段階で確認でもOKですが、初心者の方は左右の外枠のみ貼りつけた後に確認するほうがいいです。ズレていたら、やり直しましょう。

※ここで見逃したら、やり直しはききません!



カワサキのエンブレム用マスキングシートを貼りつけます。

ラインテープの間のスペースを綺麗にマスキングした後、
塗装用マスキングシートを張り付けます。

詳しい使用方法はこちらをご覧ください。



次はテールカウルのマスキングです。

下の辺と金ラインの間は5mmですので、5mmのマスキングテープを貼ります。

テールレンズ側はスペースは10mmですので5mmを二枚貼ります。

貼り終えたら、そのマスキングテープに沿わせてラインテープを貼っていきます。



内側のラインテープも張っていきます。

内側のラインは2mmです。間のスペースは3mmです。



ブラックメタリックを塗る準備をします。

金色を塗った際に部分的にしか塗らなかったので、ミスト(ザラザラ)が付きます。

ザラザラしている部分は#800のペーパーで水研ぎしましょう。

もちろんマスキング部分以外はしっかり足付けしましょう!

※800くらいのペーパーは空研ぎするとすぐ目詰まりしますので水研ぎですが、マスキング部分に水がかからないように!

※マスキング付近の水研ぎは慎重、丁寧にしましょう。



ブラックメタリックを塗装します。

前述のように脱脂した後、塗装する直前にはよくエアーブローして、ほこりを飛ばしましょう。

塗装するときはエッジ、給油口から塗装します。

※全体的に綺麗に塗れたと思っても色付きが悪いエッジや給油口は乾燥させた後に見てみると色が透けて奥の色が見えてしまいます。

俗に言う透けを防ぐために手間ですが、しっかり手順を踏みましょう。


サイドカバー、フロントフェンダーも塗装します。

タンク同様にしっかり塗り込みましょう。



塗装したら乾かしましょう。

ここでいままで紹介していなかったアイテム!
板金塗装用乾燥機です。

これを使えば、60分で完全硬化します。

実際これは何十万もするものですので、DIYで購入するのはナンセンスですよね、
そうゆうときは家庭用のヒーターでもOK!

タイマーが付いていないものは絶対に目を離さないでください。



乾燥機の紹介です。

少し脱線しますが、これから独立を考えている方は塗装用乾燥機は必須です。

中古だと古いものは意外と安く売っています。



マスキングをはがします。

しっかり乾燥したのを確認して、さーっとはがします。



タンクもはがします。

下地の金色を傷つけないように気を付けてはがします。



クリアの塗装準備をします。

マスキングテープをはがして一見すっきりきれいに見えますが、はがしたライン上にはバリや塗装カスが付いています。
エアガンと指で飛ばして、脱脂剤でふき取りましょう。



段差を滑らかにする捨てクリアを塗装します。

一度にクリアを塗ると垂れたり、はじきの原因になるので、一層目はパラパラと吹き付け、数分たったら塗装肌を見ながら塗り込みましょう。

※無理にツヤを出さなくてもOK!



ついてしまったほこり、ゴミを取ります。

塗装工程を取る際にカメラを出したら、ポケット内のほこりが塗装面についてしまいました。

カッターの先や竹ヒゴの先をとがらせたものですくい上げるようにそーっと取ります。

※無理に取ろうとして塗装面を傷つけないようにしましょう。


乾燥させたら仕上げクリアの足付けをします。

600番から研いで800番、1000番と順を追って足付けします。

ゴミ噛みがある場合は600番で取っておきましょう。

暗い色は1000番で仕上げたほうがペーパーの目がでませんが、明るい色でしたら、800番で仕上げればOK!



しっかり脱脂しましょう。

仕上げクリアが油分ではじいたら、台無しです。しっかり脱脂します。

当店が使っている脱脂剤は静電気も抑えてくれますのでとても頼もしいです。



クリアを吹く前に入念にほこりを取ります。

脱脂して油分が取れても表面にはふき取る際にごく微小なゴミ、ほこりが混じってしまいます。
それを取り除くために塗装する直前にエアガンと手のひらを使い入念に取ります。

※しっかり手を洗ってから作業しましょう。

写真右は塗りたての状態です。この状態に持って行くのは至難の業ですが、がんばりましょう!



しっかりと塗装を硬化させて終了!

塗装の難易度としてはメタリックブラックと金ラインだけですので、簡単ですが、マスキング技術は少々高めです。

下記リンクも合わせてご覧ください。