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バイクの塗装手順 徹底解説! ZU青玉虫編

自分でバイクの外装を塗りたい!がしかし塗り方がわからない、、

ここでは、バイク塗装に必要なもの、塗装手順、ノウハウ、ワンポイントアドバイスをプロのバイク塗装屋の視点から多くの大きい写真で徹底解説していきます。


今回はZU青玉虫を詳しく解説していきます。

白、黒、金、キャンディーベースのグレー、上塗りキャンディーのダークブルーの合計5色です。

曲線、直線、キャンディーの組み合わさったこの玉虫デザインがうまくできれば、ほかの外装を塗装するときも困ることはなくなります。

地道な作業ですが、がんばりましょう!


1、準備するもの(設備編)
エアースプレーガン、エアコンプレッサ、エアホースがあれば最低限塗装はできます。

2、準備するもの(塗装編)
塗料、シンナー、硬化剤、洗浄用シンナー、洗浄ブラシ、計量カップ、コシ紙、マスキングテープ、ラインテープ、塗料を混ぜる棒、洗浄したガンを拭くウエス、パテ類



今回はZUタンク&外装を青玉虫に塗り変えたいと思います。

写真のようにとても外装がへたっていてつやもないので、、剥離が必要です。
このようにタンクに柄が入っている場合は段差をペーパーで磨いてなくすより、剥離してしまったほうが早いです。


タンクキャップを外します。

写真の道具でピンを出してキャップを外します。


タンクを傷つけないように少しづつプラスチックハンマーで出していきます。
(写真は普通のカナヅチです)




剥離剤を刷毛で添付していきます。(写真右 全体に塗って約5分後)

※剥離剤は劇物です。剥離剤の缶を開けるときは必ず当て布をして、ゆっくり開けてください。
剥離剤はトロトロで側面に塗ってもたれづらいですが、下にはしっかり新聞紙等をしきましょう。
※必ずゴム手袋、安全ゴーグル、露出のない服装で作業をしてください


金属のヘラで塗膜をはがします。

写真では素手でしていますが、必ずゴム手袋、安全ゴーグル、露出のない服装で作業をしてください。

一回ではうまくはがれないときは繰り返し刷毛で塗っていきます。
以外と根気が要ります。

剥離はこちらでさらに詳しく解説しています。


サビを落とします。

塗膜をはがして、すぐ塗装ができるわけではありません。

へこんでる場合はパテ付けしなければいけませんし、写真のようにさびている場合も珍しくありません。

※旧車など古いバイクは特にさびています。



写真上 サンドペーパー、ワイヤーブラシ、カップブラシでタンクにこびりついたサビを落とします。

電動サンダ―があるとかなり楽です。
※タンクキャップ付近の奥まったところにあるサビはワイヤーブラシの先で取りましょう


へこみをパテで修正します。

古い外装は小さく薄くへこんでることがよくあります。
よく見ないと分からないので、光の反射具合を見たり、触ったりして確認しましょう。

※パテを付ける際に初めての方は多く付けてしまうことがよくありますので、薄くなるべく盛りすぎないように注意しましょう。

パテ付け作業はこちらでくわしく解説しています。


サフェーサー(プラサフ)を塗装します。※写真を撮り忘れたのでここではZRXです。

写真は黒のプラサフです。
プラサフは通常、白、灰色、黒とあります。
プラサフの色は次に塗装する色で決めますが、たいていは灰色(グレー)を選びます。

※塗る前にはしっかりとシンナー等で脱脂しましょう
※下塗りですので、きれいに塗る必要はありません。
プラサフのくわしい塗装手順はこちら



プラサフ前のパテ修正では気付けなかった小さいえくぼを再修正します。

写真左はペーパーで足付けする前です。
写真右は足付けした後です。指先のえくぼがわかりますでしょうか?(写真ではわかりづらいですが、実際はよくわかります。)
このようにしてやるとえくぼがわかりやすくなります。





キャンディーの下塗りグレーメタリックを塗装します。

600〜800番程度のサンドペーパーで表面をなめらかにした後にグレーメタリックを塗装します。

※塗装する際に全般に言えることですが、エッジ(フチの部分)から塗るようにしましょう
エッジ付近は色が付きにくいためまんべんなく塗ったつもりでも色が付いていない場合があります。

塗装する前には脱脂剤で入念に油分を取りましょう。


ZU純正キャンディークリアを塗装します。

下塗り同様、ふちの部分からゴミが入らないようにきれいに塗っていきます。

※特に上塗りキャンディーは慎重に塗装してください。
もし垂らしたら、下塗りからやり直しです。
※3〜4回に分けて薄い色を重ねて色を決めましょう。


すべての外装を塗装します。

サイドカバーと同じようにタンク、テールも色を付けていきましょう。
※写真のようにつやは出さなくて大丈夫です。
ツヤは最後のクリアーで出すものですので、欲張って塗りすぎると垂れてしまいます。

キャンディーペイントのくわしい塗装の仕方はこちら


マスキングする外装を一度クリアでコーティングします


※青玉虫はタンクとテールにラインが入っています。
キャンディーを塗ったそのままの外装でマスキングしてもいいのですが、一度クリアを塗りサンディングして表面を滑らかにすることによってマスキングがしやすくなり、上に塗る塗料の乗りもよくなります。


マスキングのためのセンターラインを引きます。

クリアを吹いた外装を研いでマスキングテープでセンター出しをします。

※エッジからエッジへとテープをピンと張りゆがみがないように貼りましょう。
力を入れすぎると切れます。

貼り終わったらいろんな角度から見てまっすぐかどうか確認します。


図面を見てポイントごとに目印を付けます。

1ミリもずれないように左右対称に目印を付けます。

目印はマスキングテープを短く切ったものを貼ります。

※センターからの計測は裁縫等で使う巻尺タイプが便利です

マスキングのテクニックはこちらをご覧ください。


実際のラインになる部分にテープを貼ります。※このテープは仮です。


※なめらかにゆがみのないように丁寧に貼ります。

※エッジからピンと張りテープを長めにとり角ばらないようにします。

うまくやるのは経験、実務が必要です。根気強くやりましょう
ここの仕上がりで今後を左右します。



サイドのラインも同様にマスキングテープを貼っていきます。

左右対称を意識して巻尺で図りながら丁寧に貼ります。


今まで貼ったテープを軸にラインテープを貼ります。

塗装のはがし際が綺麗なラインテープを仮のマスキングテープに沿って貼ります。

※黄色く見えるのがラインテープです。

何回もはがして、貼ってを繰り返すと粘着力が落ちますのでご注意ください


仮のテープを丁寧にはがします。

仮のテープをはがすとノリの付着がありますので、それも丁寧に取ります。

※残ったラインテープは爪の腹を使ってぴったりと密着させます。
これをやらないとわずかな隙間に塗料が入り込み見栄えが汚くなります。
強くやりすぎるとラインテープが変形しますのでご注意ください。



塗装する以外の部分をマスキングします。

3ミリのラインテープにそのままおおきなマスキングシートではやりにくいのでまずは12ミリくらいのテープで養生します。
それから薄茶色のマスキングシートで覆いましょう。

※シートを使わず幅の広いマスキングテープで養生してもOK!(ちょっともったいないかも) 
※もしくは新聞紙でも特に問題はないですが、塗装する際はゴミ付着があるので、よくエアで吹き飛ばしましょう


白ラインになる部分を塗装します。

黒になる部分もまずは白を塗ってからのほうが色付きがよくトータルで時間の節約になります。

※白など明るい色はゴミ、ほこりが入ると目立ってしまいます。
塗装するときは慎重に塗りましょう

※ゴミなど入った場合はその都度、竹串の先をとがらせたもの等で取ります。


黒色を塗装します。

しっかり乾燥させてから白色になる部分をラインテープ(7ミリ)でマスキングし、黒色を塗装しましょう。

※上の白色と同じようにツヤは出さなくて構いません。

もし垂れてしまったら垂れた部分をきれいに削りならしてから再度塗りなおします。


金色を塗装します。

黒色もしっかり乾燥させてから金ラインの部分を塗装します

※金色は色付きが悪く塗っても塗っても色が透けてしまうことがあります。

一度軽く塗って乾かし、ゴミ噛みなどあればサンドペーパーで取り除いてから再度金色を塗装すると塗料の節約にもなりますし、垂れの予防にもなります。



マスキングテープ、ラインテープを丁寧にはがします。

ある程度のスピードがあるほうが綺麗にはがれますが、難しいので感覚をつかむまでは丁寧にゆっくりはがしましょう

※完全に塗料を乾燥させ、しっかり固まったことを確認してから、エッジからはがしますが、綺麗にはがれるか目立たないところで試します。
塗料が伸びる感じはまだ硬化不良ですので、もっと時間を置きましょう



マスキングのバリをエアブローなどで取ります。

全部はがすと左の写真のようになります。

ライン際にある塗装のバリをよく目を凝らし指先やエアで取り除きます。

※この作業を適当にやるとクリア塗装をするときにバリが入り、見栄えがとても悪くなります。

時間はかかりますが、あせらずに!









一回目のクリア塗装をします。

基本的にクリアは二回は吹きます。
その理由としては一回目で下塗りのゆず肌感、ラインなど塗り分けによる段差を滑らかにするためです。

※このクリアもツヤを出すというよりは二回目のクリアをより綺麗に乗らせるための準備ですので、垂らさないよう注意してください。


サンドペーパーで表面をならします。

600〜800番のサンドペーパーでよく研磨します。

※研磨しすぎて下の色まで削らないように注意しましょう

※一回目のクリアで垂らしてしまった場合は、細心の注意を払いきれいに取り除きサンド掛けします。

※段差を完璧に消したい場合はこの作業を繰り返します。


二回目のクリアを塗装し完全乾燥させたら出来上がり!

これが一番難しい作業

アドバイスとしてはツヤを出したい気持ちをグッと抑え表面を湿らす感じです。ツヤは後から付いてきます。

どうやったらうまくなるか、、、それは経験を積むほかありません。

タンクキャップを付けて出来上がりです。



外装全体の写真です。

キャンディーカラー独特の深みがありいい色です。
皆さんどうでしょうか?
かなりの手間がかかりますが、自分で一からできたときのやりがいは他の何よりも代えがたいものです。

下記リンクも合わせてご覧ください。